かつて「箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川」と詠われた大井川には、いくつかの支流が存在しています。
島田市伊久美を流れる伊久美川もその一つです。
鮎釣りやバーベキューのスポットとして知られ、流域では数多くの農産物が収穫できる伊久美川の魅力を、地元のお母さんに紹介して頂けるスポット「農産物加工体験施設やまゆり」を今回はご紹介します。
農産物加工体験施設「やまゆり」
「やまゆり」は、島田駅から車で30分程の場所にありますが、のどかな雰囲気を味わえるロケーションです。
途中、手書きの案内看板が迎えてくれます。
赤い屋根と白い外壁が印象的な「やまゆり」の外観。
すぐそばには伊久美川が流れており、夏には水遊びをする人たちで賑わいます。
伊久美川を望むテラスでは、手ぶらでバーベキューが楽しめます。最大40名まで利用可能な広々としたスペースです。
全12ホールのグランドゴルフ場も併設されており、一人一日200円でプレイが可能。スティックの無料貸し出しも行っています。
スタッフは全員、地元のお母さん
平成11年にオープンしたやまゆりでは、施設周辺に暮らす農家のお嫁さんたちが、伊久美の豊かな自然から得られる産物を加工し、商品価値を高めて売り出す事で、地元のPRを行っています。
つまり、スタッフは全員、地元のお母さん!
素敵な笑顔で迎えて下さいます。
伊久美の恵みをお届け
伊久美では、お茶やしいたけ、季節の山菜、大豆などがよく採れます。
店頭に並ぶのは、地元で採れた新鮮な産物たち。
やまゆりのオリジナル商品第一号が「豆腐クッキー」。
フワフワした不思議な食感は病みつきになってしまいます。味はゴマとレーズンの二種類です。
お母さんたちが手作りをした商品は、どれも安心・安全で美味しいですよ!
伊久美在来の「やつがしら」というお芋を使った商品も販売されています。例年4月頃には種芋を販売する他、年間を通してコロッケの販売も行っています。地元ではお正月のお雑煮にも利用されるこのお芋は、頭が八つあるようなデコボコした形のため「やつがしら」と呼ばれています。ホクホク触感で美味しいですよ!
伊久美の奥には「やまめ平」と言う渓流体験ができる施設があり、そこで養殖されたやまめを使った商品も充実しています。
一押しは「挽き立て、打ち立て、茹で立て」のおそば
「やまゆり」の一押しメニューは、挽き立てのそば粉を使ってスタッフさんが打ち、茹でた出来立てのお蕎麦。
「挽き立て、打ち立て、茹で立て」の「三立」が自慢です。
かつて伊久美の方々は、山の木を切って販売し、伐採後の土地で蕎麦を育て、自給自足の生活を行っていたそうです。
当時、使用されていた石臼も展示されています。
スタッフの仲安万千子さんを含め、「やまゆり」のスタッフは全員、蕎麦を打つ事ができます。
伊久美に根付いたそば打ちの文化を受け継いでいらっしゃるのですね。
また、スタッフの皆さんに指導して頂きつつ、蕎麦打ち体験も楽しめます。
そば打ち体験
この蕎麦の実を……。
ああして……。
こうして……。
さらに、こうして……。
それを、こんな風にして……。
鍋に、こうして……。
流水に、こうすると!!!
自分で作る「挽き立て、打ち立て、茹で立て」のお蕎麦!
つやっつやに仕上がります!
出来上がったお蕎麦は、まずは何も付けずに召し上がってみて下さい。
蕎麦の豊かな香りや風味、食感をダイレクトに味わえます。のど越しはつるっつるです!
「やまゆり」では、伊久美のファンづくりを進めています。
「やまゆり」では毎年、春と夏に昔ながらの村祭りを開催しています。
今はなかなか見られなくなった盆踊りなどを行い、古き良き田舎暮らしの魅力を伝えています。
東京農業大学の学生さんたちとの交流も盛んで、毎年3・5・8月には学生さんがやまゆりにやって来て、農業体験を行っています。
また、毎年秋に開催されている東京農業大学の学校祭では、伊久美の農産物を販売し、大人気となっています。
いかがでしたか?
「やまゆり」のコンセプトは「体験をキーワードにした地区のファン作りと都市住民との交流によるむらづくり」。この活動が認められ、平成16年度には「村づくりコンクール内閣総理大臣賞」を受賞しました。
農家のお母さんだからこそ作り出せる「おふくろの味」「ふるさとの味」を堪能しつつ、「むら」ならではの豊かな自然やのんびりした時間を体感してみませんか。
おすゝめしたスポット
書いたひと
敬資
静岡市出身。県内で、ラジオパーソナリティやイベントMCとしても活動中。素敵な情報を「ド丼!」とお伝えしていきます。