「田子の浦ゆ うち出でてみれば 真白にぞ 富士の高嶺に 雪は降りける」
万葉集の時代から愛されている「田子の浦」ゆ。その…田子の浦に映る月をイメージしてつけられた御菓子屋さんこそ「田子の月」ゆ。
静岡県東部では知らない人はいない「御菓子庵 田子の月」のおすすめの御菓子を独断でランキング。紹介すゆ。
田子の月をご存じの方は、ニヤニヤしながらご覧ください。
「田子の月」とは
田子の月といえば、1952年の創業から65年以上の歴史をもつ老舗の菓子屋さん。
富士山の湧き水を使ったこだわりの材料と、抜群の商品企画センスを併せ持ち、地元に愛され続けまくっております。
豊富なラインナップの中でも、最中(もなか)は定番で、あんこは逸品。商品ごとに異なったあんこが使われています。賞味期限は短めですが、余計なものが入っていない証拠です。安心できますね。安心できゆ。
これからご紹介する御菓子以外にも、静岡をモチーフにした素敵なお菓子がたくさんあるので、旅行中に見かけたら立ち寄ることをおすすめします。
おすすめベスト5を紹介していきましょう!
それではさっそく!独断ではありますが!「田子の月」に来たら絶対に食べて欲しい!ベスト5をご紹介します。
なぜか富士山に登りたくなったので登りながら発表していきましょう!
1位には果たして……どのお菓子が選ばれるのか!
登山前から、すでにニヤニヤが隠せません!
スタート地点でもう雲海
バスで行ける富士登山(富士宮口)5合目の時点で、もうこの絶景。
「もう帰ってもいいかな」という気持ちを抑えるのが大変。富士登山における最初のハードルと言えます。
それでは!
5位 定番ブッセ「もんぱり」
田子の月と言えば、和菓子をイメージする方が多いかもしれませんが、この「もんぱり」も定番商品。
いわゆるブッセですが、素朴・自然な食感とクリームの絶妙なバランスが素敵です。
定番は、チーズとあんず。
チーズは、ほんのり塩味の効いたチーズバター。あんずはほどよく酸味のきいた杏ジャムがスポンジにサンドされています。
とくにチーズは固定ファンがいるので取り合いです。気をつけて。
季節限定の味もあるので、四季折々の変化が楽しめるのも魅力です。
山小屋が見えるとテンション上がる
富士宮口から登っていくと、途中で立ち寄れる山小屋は6つ。
歩けど歩けど変わらない風景に飛び込んでくる山小屋。大きい目標は、小さい目標の積み重ねだ、と気づかせてくれます。
最初の山小屋の時点で、わりと帰りたかったです。最初がきつい。
4位 こだわり最中「もひとつ」
田子の月を代表するお菓子と言えば、やはり「もなか(最中)」。
そして、創業五十周年を記念して発売された最中が、この「もひとつ」です。
「日本一の最中」をめざし、素材や製法に徹底的にこだわったという全力商品。田子の月における技術の粋を集めた最高最中です。
お客さんから「もうひとつおくれ」と言われたことに感激した…という逸話にちなんだ名前。泣ける。
わかる。目をつぶってもわかる、おいしいやつ。
口の中で、きめの細かい皮がサラリと溶け、丹波大納言の風味と、上品な氷砂糖の甘さが広がる……。
手に持った瞬間「あぁ。これ美味しいやつだ」ってすぐわかるやつです。贈り物に最適でしょう。
雲一つない晴天
いや、あるんですけど。あるんですけどね、下に。
ふと振り返った時、ちょっと休んだ時に目に飛び込んでくる絶景が感動をくれます。ありがとう絶景。ありがとう、もなか。
ちなみに「疲れが吹っ飛ぶ」ということはなく、引き続き疲れています。
3位 看板商品「田子の月もなか 餅入り」
「もひとつ」も良いのですが、やっぱり「田子の月のもなか」と言えば、この餅入り。
四角いビジュアルが特徴的な看板商品。生まれた頃から食べています。思い出補正がすごい。
最近、富士山モチーフのパッケージにリニューアルしたそうです。すぐ食べちゃうから気がつかなかった。。。
ずっしりと重たい。これこれこれだよ。田子の月と言えばこれ。
ぶっちゃけ登山に持って行くには不向きな重さです。辛かった。
あっさりと炊き上がった粒あんと、やわらか餅の相性が絶の妙。力もわいてきます。
……え?
3位はおかしい? 1位は……ニヤニヤしちゃうあれだけど、2位だろって?
わかる。気持ちはわかる。
地球は丸かった
手前に見えるのが、沼津市民が愛してやまない愛鷹山と、奥が伊豆半島なはずです。
もう、地球の丸さが見えますよね。
ちなみに8合目あたりですが、既に雲海には飽きています。まさか人生の中で、「雲海に飽きる」ことがあろうとは。何事も経験ですね。エクスピリエンス。
2位は、「万寿の月」
歴史ある田子の月の中では新人。2009年に発売開始された「万寿の月」ですが、オレの中で堂々2位にランクイン!!
「ん?見たことないぞ……」と思ったあなたは、田子の月をサボってますね。
この「万寿の月」は賞味期限が短く、店頭でしか手に入らない激レア品。ネットでも手に入らないし、ギフトセットにも入っていません。
どら焼きのようですが、この皮がめっちゃモチモチ。阿闍梨餅的なモチモチ和菓子好きのオレのハートを完全に射止めました。
ただのモチモチというより、モッチモチかな。モチモッチリかな。もちろん優しい餡子の味との相性も最高です。
大きさは、直径で4cmくらい。一口サイズなのでお茶うけにも最高です。
ひとくちで食べてしまったので代わりに、「万寿の月」で乾杯の写真でも。
うまい!モチモッチリ!!
富士山頂に到着!
1位の発表の前ですが、ついに富士山頂に到着。
山頂には「富士山頂上浅間大社奥宮」があって、ここでしか手に入らない御朱印2種をもらうこともできます。
ちなみに富士山の8合目以上すべて、富士宮に本宮を構える「富士山本宮浅間大社」の奥宮敷地です。
山頂には郵便局もあり、ハガキを送ったり色々できるはずですが……時間が遅かったせいか閉まってました。もなか食べまくったせいだな。
日本の最高標高地点「剣ヶ峰」に向かう
鳥居があったところも富士山頂ではありますが、富士山の最高峰は「剣が峰」。日本の最高標高地点3,776 mは、噴火口沿いを歩いた先にあります。
1位の発表は、やはりそこでやりたい。理由はないけど、そこでやりたい。
剣ヶ峰から振り返るとこの通り。右手が空、左手が噴火口。左右どちらも落ちたら死ぬやつです。
しかも、壁を登っているような傾斜。こえー。
それでは…………第1位の発表です!!なんだろう!なんだろうね!!
・
・
・
1位は、やっぱり「富士山頂」!
富士山頂……おまえがナンバーワンだ(ベジータ)。
そう!やはり!田子の月のナンバーワンは「富士山頂」!
ご存じない方、これは「富士山頂」という名前のお菓子です!!
創業三十集記念銘菓として1982年に誕生以来、静岡県東部の子供たちを虜にし続けている「富士山頂」。
ふわふわスポンジと、まろまろまろやかなカスタードクリームの組み合わせは、いわずもがな絶品。
雪に見立てたホワイトチョコと、何に見立てたのか謎なコーヒー味のチョコも、本当においしい。
ちなみに「静岡のおっぱいまんじゅう」としても有名です。……いやね。触れるかどうか迷ったんだけど、触れないの変だから。一応。あ!触れるって、そういうんじゃないよ。もう。何言ってんだよ。バカなんじゃないの。
富士山頂では、富士山頂もパンパン。
富士山頂で、富士山頂を食べる!!
これだ!オレは、これをやりにきたんだぜ!ばかやろう!!
田子の月の「富士山頂」を富士山頂で!
今回は紹介しきれませんでしたが、田子の月には「富士山のように」や「ふじのくに」などの富士山をテーマにしたお菓子が多数あります(どれもおいしい)。
ぜひ見かけたら立ち寄って、富士登山に華を添えてください。
富士登山後記
全くトレーニングもせずに登り切れたのは、「富士山頂で富士山頂を食べる」という目標があったから。
とても楽しかったのですが、企画が思いつかない限り、二度と登ることはないでしょう。とても楽しかったけど。
※ 「うちの菓子を持って登ってくれ!」という菓子屋さんがいたらご連絡ください。
登山グッズより重たかったお菓子たち(一部)。リュックも2つになりました。
ちなみに最中は「重たい」&「皮が水分を奪う」ため登山には向かないかも。ぜひ茶の間で、お茶と一緒に楽しみましょう。
持って行くなら、やっぱり「富士山頂」だね!
雲や山々に、富士山の影がかかっている幻想的なシーンも。
綺麗だなぁ。二度と登ることはないと思うけど!
おすすめしたお店
御菓子庵 田子の月
Webサイト:http://www.tagonotsuki.co.jp/
Twitter:@tagonotsukimona
書いたひと
内山ボススケ
静岡県在住の地元ラブな編集・ライターマン。日夜、世界中を飛び回り、静岡県の情報を集めている。痛風予備軍。やばい。ぐるなび社「みんなのごはん」でも静岡県グルメ記事を執筆中。
Twitter:@bosssuke
著書:静岡のおきて シズオカを楽しむための50のおきて